<第6回>
2005年12月11日(日)13:30〜16:30 あいれふ10F・講堂

講演会「和白干潟とラムサールのこころ」
講師:鈴木明さん(環境省野生生物課)
   岩間徹さん(西南学院大学副学長/ラムサールセンター代表)
   辻敦夫さん(藤前干潟を守る会/JAWAN代表)
   中村玲子さん(ラムサールセンター事務局長)

和白干潟環境市民フォーラム準備会という小さなグループにしては、ラムサール条約に関する最高の講師陣を迎えた学習会ができました。お話しの内容も簡潔でわかりやすく、しかもラムサール条約の核心をついた本当に有意義なものになりました。



最初に、環境省野生生物課の鈴木さんから、ラムサール条約の主旨、登録基準、いくつかの具体的な国内の事例報告など画像も多く交えてお話しいただきました。特に、片野鴨池で行われているワイズユース、逆網猟(Y字形の網を投げて鴨を捕る)や、漁業者も保全に強力している厚岸・別寒辺牛湿原の紹介などは大変興味深いものでした。

次いでラムサールセンター代表の岩間先生は、特に「ラムサールのこころ」にこだわってお話しをされたのが印象的でした。「キーワードは水」であり、「全ての湿地は登録されても、されていなくても賢明な利用が求められる」、「次世代の利用可能性を維持しつつ、現世代が持続可能な利用をする」。人間の暮らしが湿地に支えられているんだということ、それを守って賢明に利用していく、これがラムサールのこころではないでしょうか。というお話しでした。大学の先生だからでしょうか、難しい内容をとてもわかりやすく解説してくださいました。

名古屋の藤前干潟を守る会の辻さんは、実際の活動を通した経験や考え方などを話してくださいました。なかでも干潟だけを見るのではなく、流域全体で保全をする必要性と、現在の取り組みの広がりについてのお話しは大変興味深いものでした。

中村玲子さんは、2005年のウガンダ会議で“ラムサール湿地保全賞”を受賞されました。お話しでは、ウガンダ会議に参加した子供達の活躍などをお話し下さいました。紹介された子供のメッセージは「僕達は大人のみなさんよりも長生きします。その私たちのために湿地を残して下さい。会議で話し合われる内容は難しすぎて判りません。私たちに判るような言葉でつたえて下さい」。このメッセージは本当にストレートで胸にグサッと刺さりました。最後のディスカッションでも、干潟の素晴らしさをしっかり情報発信することの大切さや、市民活動の大切さのお話しがありました。例えばラムサール会議でもNGO発案の決議が提出されたり、各国間の調整などにNGOの活躍があるそうです。

会場のみなさんが一番印象に残ったのは中村さんの「ラムサール条約登録を目標にするのを止めたら。」という言葉ではないでしょうか。つまりラムサールというのは目標ではなく、それぞれの湿地で使いこなすものだと個人的には理解しました。
終了後の懇親会でも、日本のラムサール登録湿地に“川”が一本登録されたら、ラムサール条約の認識、意識が大きくかわるのではないかというようなお話しも出ていました。この学習会の内容は単に湿地保全というだけでなく、全ての環境保全活動に通じるものだと思いました。発言のテープ起こしをまとめて当日参加できなかった多くのみなさんにもぜひ読んでほしいと思っています。そして最後にそっと“和白干潟はラムサール湿地なのだ”とこころに刻みました。