<第1回>
2005年7月26日(火)19:00〜21:00
福岡市NPOボランティア交流センター

「博多湾の野鳥と生きものたち」(福岡市出前講座)
講師:竹中英之さん(福岡市環境局保健環境研究所 博多湾担当)

博多湾にすむ野鳥や生きものたちについて、博多湾で起こる問題について、そして、2005年4月に移植したアマモについてとすごくわかりやすい内容の講義でした。


■博多湾の野鳥
・カモの仲間・・・ヒドリガモ、ツクシガモ、ホシハジロ、マガモ、カルガモ、ヨ シガモ、コガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、スズガモ
・カモメの仲間・・ユリカモメ、セグロカモメ、ウミネコ
・サギの仲間・・・ダイサギ、コサギ、アオサギ、ヘラサギ、クロツラヘラサギ
・シギ・チドリの仲間・・シロチドリ、ダイゼン、チュウシャクシギ、ハマシギ

■博多湾の生きもの
・砂浜の生きもの・・スナガニ、アシハラガニ、ハマトビムシ、アサリ
・干潟の生きもの・・コメツキガニ、ヤマトオサガニ(今津)、ハクセンシオマネ キ、ウミニナ、カブトガニ(今津)
・磯の生きもの・・・・フナムシ、アメフラシ
・浜辺の植物・・・・コウボウムギ、ハママツナ、ハマエンドウ、ハマダイコン、 ハマヒルガオ、ハマニガナ
・海底の植物・・・・・アマモ、ガラモ、アラメ

■博多湾の問題
1)赤潮(プランクトンの異常発生)
⇒発生のメカニズムについて
生活排水などに含まれるリン、窒素が海水交換の悪い場所で豊富となり、プランクトンの異常発生を引き起こす。
⇒影響について
海苔の色落ちや養殖魚が死んだりする。なぜ、死ぬかというと呼吸の時にある種のプランクトンが持つ有害成分により酸素を取り込めなくなるためである。
2)アオサの異常発生
⇒発生のメカニズム
夏場の水温が高く、富栄養化している停滞性の水域で大量発生する。
⇒影響について
腐敗により悪臭を放ち、景観的にもよくなく、海底(干潟)を覆い土が酸欠状態となりカニやゴカイを窒息させたり、底質を悪化させてしまっている。(ヘドロ化)しかし、海水中のリンや窒素を吸収して生育しているため、富栄養化した海の水質浄化に貢献している良い影響もある。

◎海の環境を守るにはどうすべきか?またこれからの目標
・油は海に流さない
・洗濯には無リン洗剤や粉石けんを使う
・米のとぎ汁の再利用
・生ゴミを流さない
・環境に対する正しい知識を身につける

■アマモの移植について
・アマモとは?(和名:竜宮の乙姫の元結いの切りはずし)
⇒多年草の単子葉植物。海の中で花を咲かせることから海草と言われている。魚の産卵、稚魚の成育の場として重要な場所である。
・和白に移植した目的
⇒魚の産卵、稚魚の生育の場所を作るため。(生態系の多様性)
 アオサを減らすため(アオサと生存競争をさせる)
・アマモ移植要因
⇒光、波、底質、塩分、海底 勾配
・アマモの様子(和白)
⇒5ヶ所のうち1ヵ所は育っている。(4月9日に移植)

<スタッフの感想>
提案された海の環境を守る方法も明日から誰にでもできることだと思うので実行していこうと思います。そして何より今ある環境を生かして生活できればと願うばかりです。人工島の話では渡り鳥が減っていること、その人工島も今では渡り鳥には必要な環境と渡り鳥には複雑な環境だと考えさせられる話でした。

<参加者からの感想>
和白のアマモ移植に対する感想が多かった。和白のアマモは今津から採取してきたものであり、なぜ今津では育つのに和白では育たないのか?また中には今津での採取がすでに生態系の破壊であり、市民との移植実験を環境教育と言うべきではないなど厳しい意見もあった。

ミニ講座「アイランドシティの渡り鳥たち」
話題提供:松本 悟さん(ウエットランドフォーラム)
 
■人工島と渡り鳥について
人工島着工によりシギ・チドリ類70%、陸ガモ25%、海ガモ75%減少した。減少はしたものの現在は人工島の70〜80%が海底の土のであることから多くの餌が含まれており人工島の中にある湿地(大きな水たまり)は渡り鳥にとって日本最大級の越冬地となっている。シーズンを見ても冬を除けば和白干潟より渡り鳥の数が多いそうだ。しかし、今では海底の土も入れておらず、このまま工事が進んでいけば確実に渡り鳥は減っていく。いくつかの種(シギ・チドリかクロツラヘラサギ)を守ることで論争になったりするが指標種を決め、守っていけば必ず他の鳥も守ることが出来るとのことだった。

■渡り鳥が教えてくれるもの
1)国際的生命のつながりを教えてくれる
⇒気候の変化、子育てなどのために国と国を通じて生きる鳥
2)環境の役割を教えてくれる
⇒渡る目的により行き先がどんな環境なのか知ることができる
3)環境を地球規模で教えてくれる
⇒数の変化で渡り鳥の暮らす環境(国々)の変化を知ることができる
4)それぞれの保全の責任を教えてくれる
⇒渡り鳥の住める環境を守ることは人の住みやすい環境を守ることにつながる

<感想>
渡り鳥の減少の原因でもある人工島も今では渡り鳥に必要な環境になっていることに少々複雑な思いを感じました。しかし、今はこれから先のことを考えることが大事なことであり、今ある環境をどう保全すべきなのか、これから先も渡り鳥より教えてもらえるように私たち市民にできることはなんなのか真剣に考えていく必要があると思います。
 

講義の様子